うつ病についての詳細

3うつ病とは気分障害の一種であり、強い欝状態が長く続き、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。うつ病での『うつ状態』というのは、“物事に対する関心や取り組む意欲が失せて何もする気が起こらない状態が一日中ずっと、ほとんど毎日、2週間以上にわたって続いた状態”をいい、誰にでも起こりうる病気です。世界精神保健調査日本調査によると、わが国ではうつ病の生涯有病率は6.3%(およそ16人に1人)と報告されています。男性よりも女性のほうが2倍ほどうつになりやすいと言われており、それは妊娠・出産期・閉経期・月経前の女性ホルモン、セロトニンの激減がマタニティブルーや産後うつに関与している可能性があると言われております。
うつ病の症状には大きく「精神症状」と「身体症状」があります。よく見られる「精神症状」として、マイナスな感情(不安、悲しみ、焦り)、やる気がでない、頭が回らない、自殺、自傷、症状は朝悪く、夕方楽になる、などがあり、「身体症状」としては眠りが悪い、どこかが痛い、食欲が増える・減る、胃腸の具合が悪い、耳や目が悪くなるなどがありますが、これはあくまで一部であり、身体に出る症状は多種多様です。うつ病に悩む人の多くは身体の不調を訴えて一般の内科などを受診し、最終的に専門の精神科に受診をする人も多いようです。
うつ病の原因は特定されていないのですが、典型的なうつ病の場合、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質の働きが悪くなっていると推測されており、本人の性格や考え方の問題ではないと考えられております。この場合、抗うつ薬がよく効き、治療しなくても時間が解決する場合もありますが、心理的要因が多いと思われるうつ病では原因となった葛藤の解決や、葛藤状況から離れることなどの原因に対する対応が必要です。うつ病は早期に発見して適切に治療すれば、十分に治りうる病気です。このため、患者さん本人や周囲の人が早く気づいて、専門家による適切な治療を受けることが望ましいです。また十分な休養をとり心身の負担を取り除き、脳の疲れも取ることも大切です。うつ病の症状が軽減されるまでにある程度の時間を必要とする場合も多いとされています。うつ病が「病気」であることを理解して、症状が悪化する前に早期に受診し適切な治療を受け、焦らずじっくり治療に取り組むことが重要です。